経営者の仕事の流儀(第11回)組織の生産性をあげるもの part1

絆工房笠原泰藏

 

働き方改革が2016年にスタート。
一億総活躍社会実現に向け企業も 組織改革が問われています。
働くことの本来の目的とは 何か。3回に亘りインタビュー取材でご紹介。

 


『楽しく仕事をする』という理念を掲げている絆工房。
時にやれと言われたから嫌々やったり、楽しく感じる事が出来ない場合、それをどう楽しい仕事に変えていったらいいか?

 

■思考の停止が成長を阻む

 

ー笠原 「楽しいか楽しくないかを決めるのは、結局、好きか好きじゃないかという感覚で決定づけられます。」

ー自分が好きかどうかをどうしたら分かるのか?

「まずはやってみること。好きかどうかは体験でしか分かりません。人は感情によってのみ行動します。体験を通してはじめて感情は得られるものです。ですから、とりあえずは体験してみることです。そうは言っても、いくら親や大人が「これが将来あなたの成長になるから」と勧めてもなかなか動こうとしない。正しい事だと解っていても通じない。それらは小さな親切大きなお世話と思われてるのがおち 。」

ー子供を思う親の気持ちが受け入れられない原因とは?

ー笠原 「一言で言うと考えるのが面倒だし、無関心の方が楽だから。人はややもすると、正しい生き方よりも、楽な生き方を好む傾向があります。外発的動機で人の行動は変えるのは困難です。」

ーそれは、人間が習慣の生き物(※)だから?

ー笠原 「例えば、法律や常識というのは、国が違うと異なります。歴史の中の慣例やしきたりも時を経ると、真逆になったりしますよね。昔の伝統や行事が今のライフスタイルの変化に合わなくなってくる場合もあります。その時に、「常識だから」「昔からやっているから」という理由だけで踏襲し続けるのはどうでしょうか。本当に今必要なものなのかを改めて考えようとせず、盲目的、惰性で行うのはとても危険です。時代に応じてカタチを変えながら継承してくのが伝統。「昔からやっているから」というのはあまりに軽率だと思います。」

ー習慣化した行いをどうやって在るべきカタチに代えて
それを自分の「好き」に変えていけるのか?

 


ー笠原「常に目の前の事象が本当に今相応しい事なのか、必要なことなのかを思考すること。無意識のうちにやっていること、習慣化していることが実は自分の成長を阻害しているかも知れない、と振り返って考える事が必要です。習慣が人生を形作っています。先程述べたように、人は外発的動機ではなかなか動きません。人間には、外発的動機と、自ら進んで行う内発的動機のどちらかで行動します。嫌々行っても成長の喜びも達成感もありません。この内発的動機に基づいて働くことが今、企業に求められる組織改革です。そしてその環境づくりを整えていくのが僕の仕事だと思っています。権限を分散して、それぞれが自分の思考で考え行動できる細胞的組織を目指したいと思っています。」

 

■内発的動機を生み出す原点経営

 

ー具体的に細胞的組織とは?

ー笠原 「原点経営です。自分の内から仕事がしたくてしようがないような組織、ゲームのように楽しく仕事をするゲーミィフィケーション組織、つまりティール組織経営です。そこには上司からの命令を待つまでもなく自分達で物事を話し合って判断していきます。」

ー今、見えている事象が本当に必要なことなのか、何故それが今すべきことなのか思考をする、原点に返る組織ですか?

 

ー笠原「ただし、見ているものと見えているものは違います。これは次回話したいと思います。」

 

(※1)人間は理性の生き物でもなければ、本能の生き物でもない。
人間は習慣の生き物である。(ジョン・デューイ)